お盆休みにコミケに参加してきました(サークルのブースまで来て下さった方々、ありがとうございます。)。その帰り道の新幹線ではコンセントが確保できず溜まった仕事の処理は諦めて読書をしながら東京から福岡まで戻ってきました。
そこで読んでいたのは:
「共生という生き方」
T.ウェイクフォード 著、遠藤圭子 訳、
シュプリンガー・フェアラーク東京 刊
(http://item.rakuten.co.jp/book/4030458/)
という本でした。その本では共生という生物学的現象について薄い本であるにもかかわらず実に幅広く概説されていました。その内容は概念の歴史から始まって、植物と菌類が相互依存によって同種間のみならず異種間でも緊密に結び付けられているサマ(土中で森林全体を結びつけ部室の交換・移動を司る大規模な菌糸のネットワークの存在)、昆虫やサンゴ虫やある種のウミウシが体内に微生物を飼っているサマ(寄生されているように見えながら実は生育を制御したり助けその相手から栄養や体色を得るなど、あるいは取り込まれる相手や取り込む相手を選んだり…。)、病原菌や寄生と片利や両利の共生の間の連続性(共生における緊張感とでも言うべきか、相互に適応することで共生している生物が一方の体調や栄養状態の変化によって、ある時には相手の病気の原因に早変わりしてしまう)など非情に興味深いものでした。
で、それを読んでいて妄想したことが一つ。
実は私、確定診断以来約20年、白癬菌つまり水虫を足の裏辺りに飼っています。妄想というのは他でもないこの水虫ってヤツが実は普通に思われているような単なる皮膚の病気ではなく実は共生関係が人間の生活の変化によって壊れた例の一つではないかというものです。そう思うようになったキッカケは数年前から昨年今の職場に就職するまでの間夏も冬も年中サンダル履きで過ごした際の経験です。実はこの間、水虫はずっと感染しっ放しであったにも関わらず年に1-2回思い出したように痒くなるだけでそれ以外は気付かない間に治癒しており、殆ど悪さをしませんでした。ただこの間無害ではあるけれど顕著な症状が一つあってそれは足の裏の皮膚の肥厚でした。なんせヒキコモリに近い生活だったので歩いている量そのものはそれ以前(あるいは今)のほうが断然多そうなのに角質層は当時のほうが全然厚く固かった気がするのです。不思議に思って水虫のサイトなどをチラチラ見て回ったところではどうやら皮膚の角質層の肥厚や爪の角質の肥厚は水虫の症状の一つとして認められているようでした。
で、思ったことはこのような足裏の角質層の肥厚は人類が裸足で生活していた頃にはむしろ有利ですらあったのではないかということです。(他にも、人間以外の生物の白癬菌感染の症状は知らないのですが、もしかすると爪の角質層の肥厚などは蹄のある生物の爪の発達にも有利だったりはしないかしらんとか。)また長年私の個人的な疑問としてあった、人間の皮膚には元来殺菌作用があるにも関わらずなぜ水虫は自然治癒が難しいのか、即ちなぜ人間の皮膚は生活環境にありふれている白癬菌を上手く殺菌できないのか、という問題についても、もし人間が白癬菌と有史以前から長らく共生関係にあるならむしろ殺菌できなくて当然ということになりましょう。
実際、上記の本でも病原体と思われた細菌がことによると共生関係かもしれない例として、胃潰瘍の原因とされるヘリコバクター・ピロリという細菌が実は胃酸の抑制に役立っているかもしれないこと、食中毒の原因菌であるサルモネラ菌や大腸菌O-157に反応してそれらに対する毒素を出すことが述べられています。
もし水虫が人類の共生相手だとした場合、日本のような湿気の多い環境では、失礼なんてことを気にせず、合理的な根拠によりサンダル推奨ということになるかもしれず、それはそれでいいかもと思ったりする私なのでした。
そこで読んでいたのは:
「共生という生き方」
T.ウェイクフォード 著、遠藤圭子 訳、
シュプリンガー・フェアラーク東京 刊
(http://item.rakuten.co.jp/book/4030458/)
という本でした。その本では共生という生物学的現象について薄い本であるにもかかわらず実に幅広く概説されていました。その内容は概念の歴史から始まって、植物と菌類が相互依存によって同種間のみならず異種間でも緊密に結び付けられているサマ(土中で森林全体を結びつけ部室の交換・移動を司る大規模な菌糸のネットワークの存在)、昆虫やサンゴ虫やある種のウミウシが体内に微生物を飼っているサマ(寄生されているように見えながら実は生育を制御したり助けその相手から栄養や体色を得るなど、あるいは取り込まれる相手や取り込む相手を選んだり…。)、病原菌や寄生と片利や両利の共生の間の連続性(共生における緊張感とでも言うべきか、相互に適応することで共生している生物が一方の体調や栄養状態の変化によって、ある時には相手の病気の原因に早変わりしてしまう)など非情に興味深いものでした。
で、それを読んでいて妄想したことが一つ。
実は私、確定診断以来約20年、白癬菌つまり水虫を足の裏辺りに飼っています。妄想というのは他でもないこの水虫ってヤツが実は普通に思われているような単なる皮膚の病気ではなく実は共生関係が人間の生活の変化によって壊れた例の一つではないかというものです。そう思うようになったキッカケは数年前から昨年今の職場に就職するまでの間夏も冬も年中サンダル履きで過ごした際の経験です。実はこの間、水虫はずっと感染しっ放しであったにも関わらず年に1-2回思い出したように痒くなるだけでそれ以外は気付かない間に治癒しており、殆ど悪さをしませんでした。ただこの間無害ではあるけれど顕著な症状が一つあってそれは足の裏の皮膚の肥厚でした。なんせヒキコモリに近い生活だったので歩いている量そのものはそれ以前(あるいは今)のほうが断然多そうなのに角質層は当時のほうが全然厚く固かった気がするのです。不思議に思って水虫のサイトなどをチラチラ見て回ったところではどうやら皮膚の角質層の肥厚や爪の角質の肥厚は水虫の症状の一つとして認められているようでした。
で、思ったことはこのような足裏の角質層の肥厚は人類が裸足で生活していた頃にはむしろ有利ですらあったのではないかということです。(他にも、人間以外の生物の白癬菌感染の症状は知らないのですが、もしかすると爪の角質層の肥厚などは蹄のある生物の爪の発達にも有利だったりはしないかしらんとか。)また長年私の個人的な疑問としてあった、人間の皮膚には元来殺菌作用があるにも関わらずなぜ水虫は自然治癒が難しいのか、即ちなぜ人間の皮膚は生活環境にありふれている白癬菌を上手く殺菌できないのか、という問題についても、もし人間が白癬菌と有史以前から長らく共生関係にあるならむしろ殺菌できなくて当然ということになりましょう。
実際、上記の本でも病原体と思われた細菌がことによると共生関係かもしれない例として、胃潰瘍の原因とされるヘリコバクター・ピロリという細菌が実は胃酸の抑制に役立っているかもしれないこと、食中毒の原因菌であるサルモネラ菌や大腸菌O-157に反応してそれらに対する毒素を出すことが述べられています。
もし水虫が人類の共生相手だとした場合、日本のような湿気の多い環境では、失礼なんてことを気にせず、合理的な根拠によりサンダル推奨ということになるかもしれず、それはそれでいいかもと思ったりする私なのでした。
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