ある知人のblogで読んだのだが
阪神大震災は12年目を迎えたが、国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が、国による命令を受けて救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。日本の場合、自衛隊は軍隊ではないし、国土保安隊として出発し、防災のたねにも働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに、である。
(衆議院議員 阿部知子のホームページhttp://www.abetomoko.jp/)
(ウェブ魚拓(キャッシュ)http://megalodon.jp/?url=http://www.abetomoko.jp/&date=20070120220233)
に関して当時派遣に反対した野党議員たちを思い出して、このコメントに矛盾を感じ、反感を抱く人々が2chで盛り上がっているようだ:
<参考>痛いニュース
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/903452.html
その心情は理解できないわけではない。ないが、ただ私は表面的過ぎやしないかという引っ掛かりを覚えるし、そこまで一方的に悪し様には言えない。当時の野党議員達が何に危機感を持って反対したかもわからないではないからだ。もっともこの意味では、炎上している2chの風とは逆の意味で問題の発言は浅く中途半端だとは思うが…。
何事も物事には図と地があるわけで、当時の野党議員たちの反対という前景「図」には当然その発言を生んだ背景「地」がある。
例えば某都知事発言が非常に分かりやすいけれど災害派遣に関して政治的な意図を絡めた「治安維持」を関連付けたがる右派勢力が無視できない政治勢力と存在していたという背景があった(そして今もある。むしろ勢力を増してさえいるかも。)。そして自民党はそういう勢力を抑え切れてきたとはいえなかった。自民党による自衛隊の運用論に関してはその辺に今ひとつ信用がなく、「機会があれば濫用するんじゃないか」というおそれがぬぐいきれないという「地」がある。
その「地」についてさらに言えば、自衛隊がいっそ専任の災害救助隊であったならそもそも憲法問題にもならず、災害派遣に関する葛藤はもとより海外派遣に関する葛藤も無かったろう。大体が、日本では攻めて来るかもしれない外国軍隊よりも地震、火山、台風など災害が目前の大きな課題なので自衛隊なんぞよりも災害救助隊のほうが明らかに必要であり、実際問題としてアンケートなど取ると自衛隊の任務で国民がもっとも自衛隊をありがたく感じるのは災害派遣だという。であるにも関わらず未だに自衛隊の装備の大部分は災害救助よりは正面武装にばかり割かれている。(阪神淡路大震災の教訓として、大地震には人力だけでは限界があると分かり、多数の重機の必要性が言われ、いくつかの救助用機器も開発されたというのに自衛隊が高価な正面装備を控えてこれらを大量購入装備したというニュースにはお目にかかっていない。)
このように自衛隊が災害救助を最も求められていながら、代々の政権与党が定めてきた装備・予算面から見ると、災害救助を主要な任務と見ていないという現実があり、その一方で災害派遣という飴を治安維持という鞭と抱き合わせたがる右派政治家が未だに発言力を持つ政治状況がある。こういう「地」がある場合に、派遣に逡巡を見せた政治家をそれほど単純に非難できるかといえば、私にはできない。私もその逡巡を共有するからだ。自衛隊が災害救助専任の隊になってくれればこういう逡巡を感じないでもいいのにとつくづく思う。
いっそ「国際救助隊」なんてのはどうだろうか?:-)
ってまぁ、「国際救助隊」は高校時代(かれこれ20年以上前)から思っていたことだが。
先日は防衛庁が防衛省になったが、その一方で消防庁も気象庁も予算と人員を削減されていると聞く。大学に頼ってきた火山の観測網が、高等教育予算削減のあおりを食って維持できなくなるという報道もあった。必要性を合理的に考えれば日本では防衛省よりもむしろ気象庁や消防庁を昇格するなり防災省の方が必要だろうに今の流れはあきらかに逆だ。
阪神大震災は12年目を迎えたが、国民を災害から守ることを任務とされているはずの自衛隊が、国による命令を受けて救援に向ったのは、数日を経て後のことであった。日本の場合、自衛隊は軍隊ではないし、国土保安隊として出発し、防災のたねにも働くことを任務としてきた特別な生い立ちがあるのに、である。
(衆議院議員 阿部知子のホームページhttp://www.abetomoko.jp/)
(ウェブ魚拓(キャッシュ)http://megalodon.jp/?url=http://www.abetomoko.jp/&date=20070120220233)
に関して当時派遣に反対した野党議員たちを思い出して、このコメントに矛盾を感じ、反感を抱く人々が2chで盛り上がっているようだ:
<参考>痛いニュース
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/903452.html
その心情は理解できないわけではない。ないが、ただ私は表面的過ぎやしないかという引っ掛かりを覚えるし、そこまで一方的に悪し様には言えない。当時の野党議員達が何に危機感を持って反対したかもわからないではないからだ。もっともこの意味では、炎上している2chの風とは逆の意味で問題の発言は浅く中途半端だとは思うが…。
何事も物事には図と地があるわけで、当時の野党議員たちの反対という前景「図」には当然その発言を生んだ背景「地」がある。
例えば某都知事発言が非常に分かりやすいけれど災害派遣に関して政治的な意図を絡めた「治安維持」を関連付けたがる右派勢力が無視できない政治勢力と存在していたという背景があった(そして今もある。むしろ勢力を増してさえいるかも。)。そして自民党はそういう勢力を抑え切れてきたとはいえなかった。自民党による自衛隊の運用論に関してはその辺に今ひとつ信用がなく、「機会があれば濫用するんじゃないか」というおそれがぬぐいきれないという「地」がある。
その「地」についてさらに言えば、自衛隊がいっそ専任の災害救助隊であったならそもそも憲法問題にもならず、災害派遣に関する葛藤はもとより海外派遣に関する葛藤も無かったろう。大体が、日本では攻めて来るかもしれない外国軍隊よりも地震、火山、台風など災害が目前の大きな課題なので自衛隊なんぞよりも災害救助隊のほうが明らかに必要であり、実際問題としてアンケートなど取ると自衛隊の任務で国民がもっとも自衛隊をありがたく感じるのは災害派遣だという。であるにも関わらず未だに自衛隊の装備の大部分は災害救助よりは正面武装にばかり割かれている。(阪神淡路大震災の教訓として、大地震には人力だけでは限界があると分かり、多数の重機の必要性が言われ、いくつかの救助用機器も開発されたというのに自衛隊が高価な正面装備を控えてこれらを大量購入装備したというニュースにはお目にかかっていない。)
このように自衛隊が災害救助を最も求められていながら、代々の政権与党が定めてきた装備・予算面から見ると、災害救助を主要な任務と見ていないという現実があり、その一方で災害派遣という飴を治安維持という鞭と抱き合わせたがる右派政治家が未だに発言力を持つ政治状況がある。こういう「地」がある場合に、派遣に逡巡を見せた政治家をそれほど単純に非難できるかといえば、私にはできない。私もその逡巡を共有するからだ。自衛隊が災害救助専任の隊になってくれればこういう逡巡を感じないでもいいのにとつくづく思う。
いっそ「国際救助隊」なんてのはどうだろうか?:-)
ってまぁ、「国際救助隊」は高校時代(かれこれ20年以上前)から思っていたことだが。
先日は防衛庁が防衛省になったが、その一方で消防庁も気象庁も予算と人員を削減されていると聞く。大学に頼ってきた火山の観測網が、高等教育予算削減のあおりを食って維持できなくなるという報道もあった。必要性を合理的に考えれば日本では防衛省よりもむしろ気象庁や消防庁を昇格するなり防災省の方が必要だろうに今の流れはあきらかに逆だ。
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