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2024/11/21 20:28 |
FFXIのゲームシステムの問題点とMMO
問題があると言うだけでなく、考えてみるために多少具体的に書いておこう。

経験値とスキル
ファミコン時代FFシリーズ初期の古典的なコンピュータRPGの経験値システムにツギハギ増築を繰り返したと言った趣のジョブ・システム。経験値という仕組みはは人間の学習を抽象的に表現することから生まれたのだが、そういう人間の学習のシミュレーションという原点となる視点への理解と検討がないままにツギハギに導入され整理されていないジョブチェンジ、スキルなどの人工的な仕組みと不自然な制約。例えば:
「ジョブ・チェンジするとまっさらのLv1ってなんで?」「熟練の戦士もナイトとしちゃ初心者っていうともっともらしいけど、普通まっさらってこたないでしょ?」
「1/2のLv相当の技能を提供するサブ・ジョブって何?」「レベルで制限されるスキルの成長って?(逆ならわからなくもない。なぜなら人の全人的な成長を一個の数値であらわすLvの方が抽象度が高い評価基準だろうから。)」などなど。

戦闘システムと能力値
確かにリアル・タイムではあるけどシミュレーション要素が薄い(武器の攻撃間隔、ダメージ値の設定と計算方法、各種能力値、HPやMPが人間のどんなものをモデル化しているかが非常にイメージしにくい)まま連携、MB、召喚などゲーム的フィーチャーの追加を繰り返したため
戦略・戦術がRPGらしからぬ人工的なものになりやすいバトル・システム…。
そりゃRPGといえどもゲームは人工的なものなので多少人工的な戦略・戦術が入り込むのは仕方ないのだが程度問題として…。

世界とスケール
時間空間などのスケール感覚に整合性がないゲーム世界。ゲーム内での時間経過があるのはいいが、その時間の流れがキャラの挙動とうまく整合しない。例えば徒歩でゲーム内時間1日で踏破できる「広大な大陸」って?
このあたりなまじグラフィックがリアルで時間経過の表現が細かいものだから抽象的な理解で満足しにくいというのもある。

と以上のような具合。

ゲームではゲーム素材が提供しない部分を各人が日常的な経験から補完して、各自のキャラクタがすむ世界の世界観を各自の脳内に作り上げることになる。RPGではこのような部分が特に重要なのだが、
魔法やモンスターなど意図的に導入したフィクションの存在以外の意図しない部分で、あまりに人工的な、日常的な自然・社会法則と極端に乖離したシステムが存在すると矛盾が発生して収まりが悪くなる。

もっとも人間は矛盾を許容し適合するようにできている(部分的な、あるいは誤りを含む情報が与えられてもフリーズしたりせずに生きていけるようになっている。)から、各個人で楽しむオフラインのゲームでは矛盾を受け入れ適応して世界観が作られるためある程度は問題にならない。小説や漫画、アニメ、映画なども同様にして問題にならない。

しかし矛盾点の解決には各人でバラツキがあるため世界観を共有しようとした瞬間にそれが問題となる。特にMMOでは世界観の共有が大規模かつリアルタイムであるためにそれらの不整合はプレイヤー間の人間関係の不整合としてゲーム内で直接的に現れる。
そのためMMOのゲームシステムではゲーム要素の世界観へのマッピングを慎重に行い、矛盾を抑えるためのにシミュレーション的観点からの検討が重要になると考えられる。そして表現しきれない要素は抽象化して切り捨てる必要も出てくる。

……と長くなったのでとりあえずこの辺で。

まぁ、もしかすると徹底してシステム化されないあたりはFFもシステム思考に弱い日本が生んだゲームでありソフトウェアってことなのかも知れない。日本人は輸入文化が多いと言う歴史的事情からかどうも職人的な枝葉末節、ディテールの完成度の高さを高く評価する傾向があるからなー。ディテールはディテールで大事ではあるんだけどもね。
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2006/01/10 07:40 | Comments(0) | TrackBack() | ゲーム

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