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2017/01/21 03:01 |
選挙とは
国会議員など選挙で選ばれる人々の資質がしばしば問題になる。

しかし選挙制度が保証するのは被選挙権のある立候補者中で票数の多い人が当選するということだけ。つまりこの制度は候補者に対して犯罪などを犯して公民権が停止されていない、特に選挙でルール違反をしていないと推定されるという程度の縛りがあるだけで、後は単純に支持者が多いかどうかを調べている特殊なアンケートというだけである。それ以上の資質について直接的には殆ど何も保証していない。

人のさまざまな考え方をn次元のベクトルであらわすという考え方がある。ここでnは自然数(例えば:0,1,2,3,4,...)。

ベクトルというのは数字の組であって、(1,-2.0,1.5)などというものは3次元のベクトルの例だ。「向きと距離を持つ量」として3次元や2次元のベクトルについては高校の数学や物理で習った人も少なくないはずだ。

おさらいするとベクトルには定数倍(方向はそのままで各成分を定数倍する)という演算があり、一方を定数倍(0倍を除く)すれば一致する2本のベクトルは平行であると考えられる(つまり方向そのままで定数倍、ただし負数倍されたときは逆向きになる)。加算(各成分をそれぞれ足す、ベクトルの合成とも言う)、減算(各成分をそれぞれ引く、-1倍したベクトルの加算に等しい)という演算が定義されている。

元々ベクトルは向きと距離を持つ量である速度や相対的な位置関係を表すために考案されたもので、n次元空間とn次元ベクトルには自然な対応関係がある。例えば、ある原点を定めるとn次元空間の各点と原点を始点とするn次元のベクトルは一対一に対応する。これは身近な3次元空間の例で考えれば、三次元空間のある位置(原点)を基準点として向きと距離が(位置ベクトル)定まればある位置が特定できるということを言い表している。
そして、そのようにn次元空間の点に対応するベクトルを特に位置ベクトルと呼ぶ。
また速度は一定時間当たりの位置の変化だから、各成分の時間当たりの変化を考えることで、ベクトルは速度を表現することも出来る。

細かい話:このとき長さ1で互いに直行するn本ベクトルを選べば任意のベクトルはそれっらを適宜定数倍して足し合わせたものと一致する。特にこれらの長さ1で互いに直行するベクトル群として、ベクトルの各成分が足し合わせたときの定数倍の定数にそれぞれ一致するようなベクトル群を選び、その方向に沿って座標軸を定めれば、いわゆる点の座標(デカルト座標、直交座標)と位置ベクトルの成分(()内の数字の並び)が実際に一致するようになる。

他にもベクトルには色々な演算が定義されていて、それらは対応するn次元空間を考えると意義が分かりやすい。絶対値(ベクトルの各成分を自乗したものを合計して平方根をとる)を計算することはベクトルの長さを求めることに対応し、2つの位置ベクトルの差の絶対値を求めることは2点の距離を求めることと対応する。内積(2本のベクトルの各成分を掛け合わせて合計する)という演算の結果は2本のベクトルの長さ及びそれらのなす角度と深い関係があり、特に長さが1であるような2本のベクトルの内積は、それらのベクトルのなす角度をtとすればcos(t)となることが知られている。
さらに射影という演算がある。ベクトルvとベクトルwについてvからwへの射影というのはwに平行でvに最も近いベクトルを求める演算で、射影でできたベクトルxとするとy=v-xで求まるベクトルyはwに直行する。これは身近な3次元空間でならばyの方向からさす日の光によってvがwに平行な直線上に影xを落とすとイメージすると解りやすい。

ここでは、人の考え方のさまざまな対立軸として考えられるものを全て考えてその軸の数より十分大きい数をnと考える。するとそれら全ての対立軸毎に各人の賛成・反対の強さを数字で表せば、ある人の考え方はベクトルと1対1に対応付けられる。以下ではこれを「考え方ベクトル」と呼ぶことにする。このとき考え方ベクトルの差(ベクトルの減算の結果)は考え方の差をあらわし、考え方の差の絶対値は考え方の隔たり(距離)をあらわすだろう。関係者全員の考え方ベクトルを足したものは関係者の「総意」を表すだろう。また考え方ベクトルの時間的変化を考えれば考え方の軌跡のようなものを考えることも出来るだろう。

以上のような準備をしたうえで、まずアンケートについて考える。アンケートは幾つかの対立軸を設定して考え方ベクトルのその軸への射影をとるものだ。互いに干渉しない独立した設問(ある設問への回答の結果が他の設問への回答に影響しない)がj個あるならば設定された軸j本でj次元の空間内のベクトルへ考え方を射影したものになる。例えばもし考え方が3次元しかない場合を考えると2個の独立した設問があったら
2次元平面内のあるベクトルへの射影がアンケート結果になる。ある人の考え方はもちろんアンケート結果と一致しないが、アンケートが作るj次元空間内では最もその人の考え方に近いものになる。アンケートはそれらを集計することで集団の考え方の分布を測定する。

ここからアンケートの設問の設定、つまり対立軸の設定が重要な問題になる、アンケートへ写像された考え方ベクトルはもとの考え方ベクトルに一番近くはあるがアンケートへ写像された考え方ベクトルと元の考え方ベクトルは違うものであるので、軸の設定の仕方によっては各人の実態とはかけ離れたものになりうる。例えば設定された軸が考え方ベクトルに対して殆ど直行に近い、つまりその人の関心が設問の対象に関して薄い場合などはそうだ。特に軸を一個しか設定しないという2分法で、賛成(+1)か反対(-1)かの極度に制限された設問で集計すると非常に極端な結果を生み出す場合があり得る(先年の衆院選挙の郵政賛成/反対の軸設定などはよい例だろう。事前の調査ではそれほど重要な関心事ではなかった事例に対して2分法で軸を設定し賛成反対を問う形になり、結果は皆が実感していると思われる極端な結果を生んだ。)。

ここで注意しておく必要のあるもう一つ重要な点はアンケートという手法は設定された対立軸に対して、集団が持つ統計的な偏りを測定しているだけであって、結果として示された多数派の考え方の正しさ・適切さは全く保証していないということだ。例えば、ある問題の解決法に対してアンケートを集計したとき、その問題をよく知っている人々にアンケートをとった場合はそれなりにもっともな解決法が多数を占める可能性は高いが、その問題をよく知らない人々にアンケートをとった際の結果はデタラメなものになる可能性が高い。つまり世論調査のようなアンケートは意見の偏り具合を示しはするが、そこで多数を占めた意見が適切な意見かどうかは殆ど全く保証はしない。それは適切な意見が見出されるような形で世論が形成されているかどうかに掛かっている。ここでは世論形成について深入りはしないが、知識の探索や伝播・共有に関する性質から、偏見にとらわれない自由な試行、自由で活発な情報交換と情報公開による情報の共有や個々人の判断能力を高める(教育と余暇が重要な要素になる)ことが問題解決にとって適切な世論形成には重要であるということは言えるだろう。

選挙は一種のアンケートだからそれらの性質を受け継ぐが、若干特殊なアンケートでもある。それは各対立軸に対する選択が直接集計されず、候補者という形で間接的に選択された結果が集計されることだ。候補者にはそれぞれ考え方ベクトルがあり、公約という形で彼らが設定した対立軸に沿ってその考え方ベクトルを射影したものや、過去の考え方ベクトルの軌跡を表すための経歴などが提示され、それを手がかりに有権者は候補者を選び、その結果が集計され、もっとも多数の支持を得たものから順に定員を満たすまで候補者が選ばれる。(集計方法にはいろいろバリエーションはあるし、候補者ではなくさらに間接的に政党が選ばれる選挙形態もある。)

なぜこのように間接的な形式で世論を集計しようとするのだろうか?世論の集計をするにせよ、直接アンケートを取るほうがその時点での社会の意見の動向は的確に知ることが出来る筈だ。

問題はコストにある。頻繁にアンケートを取ることはそれなりに手間と時間がかかるというのが選挙のような特殊な形態のアンケートが必要になる理由だ。近年情報通信を処理する機器の技術は向上し、アンケートを取るコストは劇的に下がってはいるが、人々が、社会的問題への解決策を集計するために設定された数多くの対立軸について頻々とその考えを射影し表明することはやはりそれなりに時間と手間が掛かる。そこでアンケート答える代理を統計的に選び出す手段が選挙ということになる。自分の代わりに答えてくれる人、つまり自分に一番近い考えを持つ人を選ぶということになる。人は自分に近い考えの人に好意を抱きやすいという社会学的な調査結果もあるので、必ずしも意識して考えを吟味しないで好意に基づいてなされた選択もそういう性質を持つと考えてよいだろう。

つまり国会議員の資質とはまさに代表(純粋に統計的な意味であってなんらの名誉や特権もない)として世論の集計手段の一部として機能できるかどうかに掛かっている。その機能を果たせる限りにおいては特別賢かったり有能である必要性はない。この観点からは、賄賂の受託や不正な献金、密室での謀議や密約のように選挙の際の選択をゆがめる可能性のある行為は大いに問題となるし、腕力や資金力、権謀術数に長けていることなどしばしば政治家の能力として上げられる能力はむしろ有権者の選択を惑わすものであり有害であろう。

以上から、当然あまり賢くない考え方ベクトルを持つ国民がそれなりの数を占めるならば、あまり賢くない政治家も代表の一部として選ばれることになんら不自然はない。そして世論が結論を出しかねている問題について政治家が魔法のように解決を見出してくれることもない。結局のところ選挙という仕組みが保証するのはただ単に統計的な代表として適切に機能するような考え方ベクトルを有する(つまり有権者の考え方ベクトルの平均に近いような)候補者が選ばれるようにすることだけだからだ。




<移転前のコメント群>

○ 無題 通りすがりさん
2chに晒されてるが如何なものか。自演?(2006/04/04 12:46:46 AM)

○ Re: 無題 神戸 隆行さん
自演じゃないです。ここ数年3匹のネット・ストーカーに絡まれてますんで。もう削除依頼しても全然追いつかないので仕方なく放置しています。
(2chは書くのは簡単だけど、削除依頼は大変という少々スパマに有利なシステムだから。)
警察もこういうことではアテにはならないですし、弁護士も費用が安くない癖に詳しい人は少ないですからね。(2006/04/05 04:16:06 AM)

○ 仕事は? 心配してるものですさん
で、本当にまた失業したの?
たしかに名簿から名前が消えていたけど??(2006/04/17 07:49:41 PM)く

○ Re:仕事は?(03/19) 椎路ちひろさん
なんか本文と関係ないコメントが続いてますが:

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心配してるものですさん
>で、本当にまた失業したの?
>たしかに名簿から名前が消えていたけど??
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元々あそこの名簿には名前が出てるのがおかしかったので訂正してもらっただけです。失業はしてません。
少なくとも今のプロジェクトが終わるまでは(^^;(2006/04/18 02:14:15 AM)
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2006/03/19 16:14 | Comments(0) | TrackBack(0) | 空論

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